オートレフ・ケラトメータ測定時に得られる情報~レフ値・ケラト値だけじゃない!?~

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今回はオートレフ・ケラトメータについて!

普段の業務で測定する機会が多い検査として、オートレフ・ケラトメータノンコンタクトトノメータ(NCT)が挙げられると思います。

オートレフ・ケラトメータ測定時にはレフ値・ケラト値の数値以外にも得られる情報があり、そこを意識すると面白みが出てくると感じています。そこで今回はその内容を紹介をしていきます!

目次

レフ値の信頼係数が表示される機器がある!

機種によっては測定したレフ値の信頼係数が表示されるものがあります!

例を2つ提示します!Axisの隣の数字がレフの信頼係数(信頼性)を表します。

例1は両眼とも信頼係数は9で安定、例2は信頼係数が右眼は6、左眼は7程度。

この信頼係数の見方は、9が一番信頼性の高い値を示し、中間透光体に濁りがあるとこの信頼値は下がります。5が一番低い値で、それより信頼値が低い場合はE(エラー)で表示されます。

信頼値が5やE(エラー)で測定されたときはここを見る!

ここまでの内容で「信頼係数が低いと測定したレフ値の信頼性が低い」ということは理解して頂けたと思います!

では実際に自分が検者として測定したレフ値の信頼係数が「5やE(エラー)」であった場合はどのように検査を進めていきますか?流れをを以下に提示します!

レフの信頼値が低い場合は「測定画面に写る角膜反射像(マイヤー像)が乱れていないか?」を見て下さい!マイヤー像の乱れを意識することで、中間透光体のうちどの部分の状態が悪いか予測することができます!

  • マイヤー像が乱れている角膜の状態が悪いことが予想される。
  • マイヤー像がきれいに写っている角膜以外の中間透光体の混濁(水晶体・硝子体)が予想される。急性の硝子体によるものは、硝子体出血・硝子体混濁などがありますが、白内障によるものが1番多いと思って頂いて良いと思います。

①の場合は、角膜の状態が悪いことに加えて、水晶体・硝子体の混濁もあることもありますので、そこも念頭に置いておきましょう!

屈折度・ケラト値以外に得られる情報

いくつか思いつくことを挙げていきます!

①白内障手術の既往

これは、ご存じの方も多いと思いますが、レフ・ケラト測定時に眼内レンズの反射が見えるため、その反射があれば白内障の手術は終えていると考えられます!

  • 通常の眼内レンズの反射なら単焦点レンズ
  • 渦の巻いたレンズが見えた場合は多焦点(遠近両用)の眼内レンズの可能性

*多焦点レンズの構造はいろいろありますので「多焦点眼内レンズ=レンズ反射が渦のように見える」とはしないように注意が必要です!渦のように見えたら多焦点眼内レンズかな?くらいの目安で考えて頂けたらと思います!

多焦点眼内レンズでは遠見の裸眼視力良好でもレフが近視寄りに出るものがあったり、ピントが合うまでに少し時間がかかったりすることがあります。そのため、多焦点IOL眼では視力検査時に視標を少しゆっくり見てもらう必要に応じて近見視力測定などを行っています。

②緑内障手術の既往

レフ・ケラトを測定する際に意識している緑内障の手術は、線維柱帯切除術(トラベクレクトミー, TLE)レーザー虹彩切開術(LI)の2つです。

  • TLEの既往がある場合→耳上側や、鼻上側に▼のような手術の跡が見えます。
  • LIの既往がある場合→●のようなレーザーの跡が見えます。

TLEの跡はわかりやすいですが、LIの跡はやや小さいかなという印象です!

③眼瞼内反症

これは慣れるとわかりやすいです!瞼が内側を向いていることで睫毛が角膜に触れている状態。

レフ測定時に眼瞼内反症を確認できることがあり、その時は測定画面で睫毛が角膜に接触して、角膜反射像(マイヤー像)が乱れていることが確認できます!

瞳孔中心の角膜障害が高度な場合は矯正視力が不良の原因となります

④乱視が強い場合はマイヤー像が楕円に見える

乱視が強い場合はマイヤー像が楕円になっていることが、レフの測定画面上で確認できるため、マイヤー像が楕円になっていたら乱視が強いかな?と予想しながら測定をするのもおもしろいと思います。

④の内容で乱視度数に関しては、測定したレフ値で確認できるので必ず意識する必要はないですが、円錐角膜などの病的乱視にも対応できるよう普段から「マイヤー像の形」を意識して見ておくことはとても重要です!

普段のレフ・ケラト測定時から「マイヤー像の形」を意識して見ておくことで「円錐角膜等」の病的乱視にも気が付けるようになる!

初診では問診の手助けになってくれる!

初診時に紹介状が必須な大学病院等を除いて、初診時には患者さんとの会話の中で問診内容を構築していきます。その中で今回お伝えした「レフ・ケラト測定時に得られる情報」問診の手助けにもなってくれます。

例えば、①や➁のケースに気が付いた時に患者さんに「眼の手術されたことはありますか?」と追加で尋ねてみる。問診の欄に手術既往の欄がある施設でも、意外と「そういえば白内障手術を受けていました」など言って下さる場合もあるので何か気づいたことがあれば視能訓練士側から尋ねることは重要!

尋ねる時は聞き方に注意!➁のケースに遭遇したとして「緑内障の手術を受けていますよね?」のような聞き方はNGです!TLEの跡だなとわかっても「眼の手術を受けたことはありますか?でOKです!

そして今回の内容が「その気づきの一助になってくれるとありがたいです!

最後に

今回は、「オートレフ・ケラトメータでレフ値・ケラト値以外にもこんな情報が得られるんだ!」ということを知って頂くきっかけになればと思いで、記事を書いてみました。必ずしも、臨床現場で使うものではないと思いますが、参考にして頂ければと思います!

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