今回は「視神経炎における視力と中心フリッカー値(CFF)の関係性について」!
視神経炎の勉強をしていると、発症初期では視力・CFFのどちらが先に低下?、回復期ではどちらが先に回復?という話が出てきますよね。そこには、視力とCFFの解離現象が関係しています!
まずは、中心フリッカー値(CFF)の概要をまとめていきます!
中心フリッカー値(CFF)とは
まずは、中心フリッカー値(critical flicker frequency:CFF)について。臨床現場では、「CFF」や「フリッカー」などと呼ばれます。
検査対象
視神経炎をはじめとする各種視神経疾患。1)
1)眼科臨床プラクティス編. 眼科検査ガイド 第1版. 文光堂, 2014, 259
正常値・異常値
一般に、
- 35Hz以上を正常、25Hz以下を異常
- 26Hz~34Hzは要精査と判定する。2)
2)所敬. 現代の眼科学 改訂第12版. 金原出版, 2015, 33
CFFの特徴
特徴を箇条書きでまとめてみました!1)
- 視力に比べて、より鋭敏に視機能を評価できる。
- 屈折異常が軽度であれば、中間透光体の混濁の影響を受けにくい。
- 視神経障害が高度な場合などは正確な測定が行えない。→中心暗点で視標(光)が見えないため。
【語句】消失域と出現域を覚えておこう!
CFFの用語として、「消失域」と「出現域」があります。
各用語の前に、「光の点滅が」という前置きをする!
- 消失域:「光の点滅が」消失(止まった)位置のこと。
- 出現域:「光の点滅が」出現(始まった)位置のこと。
<実際の検査時の声かけ>
・消失域測定時:予めHzを低くしておく!(光を点滅させた状態)、「点滅が少しでも止まったら教えてください(ボタンを押してください)」という形で声かけで徐々にHzを上げていく。
・出現域測定時:予めHzを高くしておく!(光の点滅を止めた状態で)、「光が少しでも点滅(チカチカ)してきたら教えてください(ボタンを押してください)」という形で声かけで徐々にHzを下げていく。
【視神経炎】視力とCFFの関係性について!
中心フリッカー値(CFF)は視機能障害を評価できるため、視力とも関係があります。
ここからは今回の記事の本題である「視神経炎では視力とCFFってどちらから回復する?」についてまとめていきます!
視神経炎では視力とCFFの解離する!?
視神経炎では視力とCFFは解離することがあります!
解離現象が起こりやすい時期は?
【結論】発症初期と回復期で「視力とCFFの解離」が起こるとされています。3)
- 発症初期→視力低下より先にCFFが低下することが多い!
- 回復期→視力が完全に回復した後もCFF値の低下がしばらく続く!
3)眼科臨床プラクティス編. 眼科検査ガイド 第1版. 文光堂, 2014, 719
【最後に】~臨床現場でどう活かしていくの?~
今回は「視力と中心フリッカー値(CFF)の関係性について」についてまとめてみました。
実際の臨床現場では、以下のように活かしていく!
発症初期・回復期での検査時には、「視力良好だが、CFFは不良」になる可能性を頭に入れておき、「視力とCFFの解離」を想定しておく!
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