今回は学校健診後の眼科受診について!
視力低下の指摘を受けたケースに絞ってお話をしていきます!
眼科受診の際には「裸眼で様子見」、「初めての眼鏡合わせ」、「現在の眼鏡の度数調整」などいろんなケースがありますが、若手視能訓練士にとって子どもの検査は慣れるまでは大変・難しいと感じるもの。
今回は私が普段意識しているポイントをご紹介していきます!
*基本的に視能訓練士は医師の指示のもと業務を行う必要があります。各施設でやり方は様々だと思いますのでご自身のできる範囲で実践されてみて下さい。
子どもへの問診のコツは?
子どもへの検査に慣れていないうちは検査だけでなく問診も難しさを感じますよね!
例えば小学生が学校健診後に受診したとして
- 何を問診したらいいの?
- 「見える」or「見えない」って聞いてみる?
など最初は何を聞いたらよいか不安になることも。
慣れるまでは「小学生」、「中学生・高校生」に分けて問診をパターン化して聞いていく!アレンジ・工夫を加えていくのは慣れてきてからでOK!
小学生の子どもたちには?
まずは小学生での問診から!
- いまの学年は?
- 席はどのあたり(前から or 後ろから何番目)?
- 黒板見える?
まずはこの3つをパターン化して聞いてみる!
私は学校健診後の眼科受診時には上記の3つをカルテに記載しています。他には眼鏡を持っている場合は「授業中のみ使用」や「常用している」などを付け加えたり。
保護者の方に「家ではどうですか?」、「今までに学校健診で指摘を受けたことはありますか?」など自然と保護者の方も交えてコミュニケーションがとれるようになってくる!
早く慣れることができるようどんどん経験を積んでいきましょう!
中学生・高校生での問診は?
基本的には大人と同じような問診でOK!自覚的な見え方をどんどん聞いていく!
注意点としては本人だけと眼鏡作成をするか決めないこと。最後は保護者の方も交えて眼鏡の相談をしていくイメージ!
*保護者の方への説明は医師のみが行い視能訓練士は行わない施設もあると思いますので勤務されている施設の方針に沿って頂けたらと思います!
【保護者の方への説明】「裸眼での見え方」を伝えることが効果的!
いざ保護者の方へ説明しようとすると
- 何から伝えたらいいの?
- どうやったらきちんと伝わる?
など、まだ迷ってしまう若手視能訓練士の方もおられると思いますので、例を出しながら解説をしていきますね!

上記の例を見て頂きながら、この後の流れを考えていきます!
小5、BV=0.5で黒板が見えにくい状態。眼鏡を作る流れになりそう!
このケースでは近視眼なので、「ぼやける」、「近くは見えるが遠くが見えにくい」など。
【説明の例】
いま〇〇くんの検査をさせて頂きました。片眼が0.3で両眼で0.5で、両眼とも近視の状態で遠くがぼやけています。眼鏡をかけることでよく見えますので眼鏡合わせをさせて頂いてよろしいでしょうか?
これはあくまで一例なので、状況に応じて内容は変わりますが、
「ぼやけていて0.5しか見えていないなら眼鏡がいるかも!、と理解して頂ける!
裸眼の見え方のイメージは
- 近視眼:ぼやける、遠くが見えにくい(近くは見える)
- 乱視眼:ブレる、ダブる、重なる
- 遠視眼:遠くも近くも自分のピント合わせの力(調節力)を使って見ている状態
上記のような形で使えると保護者の方も見え方のイメージがしやすい印象です!
裸眼の見え方を理解して頂くことで眼鏡の必要性がわかりやすい。
小学校低学年では「視力+管理の問題」も考慮する!
これは余談になりますが、低学年では「眼鏡の管理の問題」も考慮していく!
「視力が悪いからすぐ眼鏡!」ではなくて、保護者の方が不安に感じやすい事柄も説明することで安心・信頼してもらえる印象です。
小1、小2など低学年のうちは管理の問題で、軽い近視などの場合はもう少し裸眼で様子をみたり(医師と相談のうえで)、眼鏡作成をする場合は近視が軽くても常用をおすすめしたりしています!
*大前提として、今回は視機能は育っているものとします。弱視等は含まず、視機能が育って成長で軽い近視が出てきたケースなどをイメージして下さい。
最後に
普段私が視能訓練士として意識しているポイントをまとめてみました。
今回は内容に含めていませんが、学校健診で視力低下の指摘を受けた場合に弱視・斜視などが紛れていることもあり、検査の際はその辺りの見極めも大切になってきます!
とはいえ、小児検査は難しさを感じやすいもの。いきなり最初から全てできる人はいません。最初は誰でもできなくて当然ですので、まだ難しさを感じている若手視能訓練士の方々は日々の1つ1つの経験がスキルアップに繋がると思います。頑張っていきましょう!
様々な考え方がありますので1つの方法として参考にされてみて下さいね!