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今回は、「小児の近見視力検査について」!
視力検査の種類は、grating acuity card法、ドットカード法、絵視力、ランドルト環視力検査など様々あり、年齢・理解度に応じて使い分けていくことになります。ラ環での視力検査が一番難易度が高いものとなり、「難易度が高い=信頼性がある」ということになりますので、視力の評価はラ環で行うことが理想的です。
小児におけるラ環での近見視力検査の有用性、そして測定時の注意点について解説をしてきます。
小児検査では飽きさせないことが重要!
視能訓練士として臨床現場に慣れるでは、小児検査ってすごく難しいですよね!私も新人時代に、1つ1つの検査に時間かかってしまい、小児の集中力がなくなり、他の検査ができなくなってしまうということが多々ありました。
子どもが集中できる時間は限られています。検者として小児を飽きさせない工夫をすることが大切です!
1つの検査に時間をかけすぎない
例えば、3歳児健診で視力検査が上手くできずに眼科受診を促された小児が初診で眼科に来院したとします。
ORTとして腕の見せ所ですよね!なんとしてもレフ・ケラト、視力を(できれば眼位、立体視等も)測りたいという気持ちになると思います。
私も1年目の頃に、上記のような気持ちで張り切って検査に挑んで、「遠見視力検査を20分かけてやったが結局測れなかった」、「レフの測定を粘りすぎて泣いてしまった」などたくさんの失敗をしてきました。
難しそうなら粘らずに、他の検査に切り替えるということも大切かなと思っています。
ラ環での近見視力検査の有用性
小児におけるラ環での近見視力検査の有用性をまとめていきます!
- 小児が興味を持ちやすい
- ラ環での検査なので信頼性が高い
- 遠見視力の再現性がとれる
- 心因性視覚障害を疑う場合に効果的
以下で説明をしていきます!
①小児が興味を持ちやすい
視力検査に慣れていない年齢が低い小児の場合は、ハンドルを持たせることで圧倒的に検査がスムーズになるのでおすすめです!
*完全矯正度数を調べるという点では遠見視力検査が優位となります。
②ラ環での検査なので信頼性が高い
冒頭でも書かせて頂きましたが、ラ環を用いた視力検査は信頼性が1番高いです。遠見視力検査ができそうだけど難しい場合に、視力の機能を評価したい場合はラ環での近見視力がかなり有用となります。
③遠見視力の再現性がとれる
これはかなり重要なポイントだと考えています!
臨床現場で小児対して遠見視力検査をしていて、初めて1.0~1.5(裸眼or矯正で)まで出た時は嬉しさ反面、「本当に見えているのかな?」と不安になることがあると思います。
そんな時に、遠見視力測定時と同じ条件(最高視力が出た状態が裸眼なら裸眼で、矯正下なら矯正下)で、近見視力を測定することで再現性を確認できます!
*立体視検査は、1.両眼の視力が良好なこと、2.眼位異常がないことで得られる機能なので、眼位異常がない小児で立体視が良好であれば視力が良好である裏付けとなる。
④心因性視覚障害を疑う場合に効果的
また、ラ環での近見視力は心因性視覚障害を疑う場合にもとても有用です。→私自身、臨床現場でよく使っています。
この内容は、以下の記事で!興味を持たれた方・心因性視覚障害の検査が上手くなりたい方はぜひ読んでみて下さい!
近見視力測定時の注意点
検査距離を意識していく!例を出してみます。
例)ラ環の近見視力にて、1.0の視標まで見えたとします。
検査距離をきちんと30cmで行っていれば、視力1.0の評価ができますが、もし気づかないうちに20cmでやってしまっていたら、どうなると思いますか?
10cm近づいただけでこのように結果が変わるため、近見視力検査では検査距離がとても重要ということがわかって頂けたかと思います。
- 小児はラ環を見ようとして近づきやすい!
- 視能訓練士は頑張って視力を出そうと気づかない間に近づいていることがある!
上記の2点から、検査距離が近くなりがちな印象です!
ORT学生さんは、学生のうちから目測で30cmの感覚を掴めていれば、働き始めてプラスになるので学内実習で距離の感覚を練習してみて下さい!
最後に
今回は、小児におけるラ環での近見視力検査についてまとめました!
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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