今回は「視能訓練士のキャリアに関する内容」!
1~3年目の頃はいろんなことを吸収しやすい時期!それと同時にいろんなことに悩み、難しさを感じる時期でもあると思います!
- どうやったら視能訓練士スキルが上達する?
- 若手の頃は何を優先しておけばいいの?
- 自分と他の視能訓練士を比べて不安になる
- 今後のキャリア形成での悩み、迷いが出てくる!
そのような不安を解決すべく、今回は視能訓練士歴8年目、フリーで働く視能訓練士という私の立場からこれまでの経験をもとに「1~3年目の視能訓練士に伝えたい10のこと」というテーマでまとめてみました!読んで頂く方の参考になる、そして勇気が出るような記事にできたらという思いで書きました!
- 8年目の現役視能訓練士が経験を交えてまとめた記事
- 視能訓練士業界の現状を知ることができる
- 自分自身の将来像を考えるきっかけになる!
自己紹介
本武拓真PROFILE

本武 拓真(ほんたけ たくま)
年齢:32歳、出身:福岡県、在住:広島県
視能訓練士歴8年目|FP2級|みるみるプロジェクトアドバイザー
広島大学病院で勤務後、2021年からフリーでの働き方を選択し、視能訓練士専門のオンラインコーチング事業を展開中。
個人眼科クリニック(2施設)での勤務、眼科・企業のHP記事執筆、セミナー講演なども請け負う。

若手視能訓練士さんに伝えたい10のこと
*以下の1~10はリンクになっていますので先に読みたいものがあれば押してみて下さい!
04:自分の特徴を知る
05:人との関わりを大切にする
07:給料に対する感覚を養う
①視能訓練士業界のリアルな現状を知る
ネット検索やSNSで活き活きとした視能訓練士を見たことがあると思います!これはいいことですが、実際にはこういった視能訓練士は少数派!リアルな現場感も知っておく!

「何をやっても変わらない」、「なんとなく続けている」という人も多くいるのが現状です。視能訓練士協会が行ったアンケート調査でも現状に満足しておらず将来性はないと思っているが、視能訓練士を続ける人がほとんどという結果に!
②なるべく早く視能訓練士としてマストな検査を習得する
私自身もそうでしたが、養成校の学生時代は専門外来などに惹かれる!それは悪いことではありませんが、まずは今の職場で戦力になること。視能訓練士として必須の検査を早く習得する!
- 今の勤務先にある検査スキルを最優先!
- できるようになったら視能訓練士として必須の検査の習得を目指す!
転職時によくあるケース
視能訓練士として経験年数はあるが自分にできない検査があり、その検査項目を避けての転職活動になってしまうケース。代表例はGP、小児検査など。若手のうちに視能訓練士としての必須の検査を習得しておくことで、転職時にこういった制限がなく、高時給の小児検査、GPのバイトに行くこともできる!どこに行っても活躍できる視能訓練士に近づける!
【早く習得へ】積極的にやってみよう!
- 自分も必須の検査を早くできるようになりたい!
- どうやったら早く習得できる?
キーワードは「積極性」。先輩から検査やってみる?と言われた時はチャンス!ここで「やってみたいです」と言えるかどうか。自信がなくても「やってみたいけどまだ自信がないです」と言ってみる。一番もったいないのは「いえ、まだやめておきます」と断ってしまうこと。今まで臨床実習生を含めてたくさんの若手を見てきましたが、優秀な人は積極性が違う!ただやみくもに検査を行うことは患者さんに迷惑をかけてしまうのでそこは配慮していく(患者さんへの配慮は皆さん意識されていると思いますが念のために書かせて頂いています)
完璧な準備を求めすぎると身動きが取れなくなる!
初めての検査、慣れていない検査をするのって怖い!「まだ自分には早いのでは?」、「もっと練習してからがいいのでは?」と考えすぎていると自信がなくなってくる。私も同じような経験があります!むしろ今でもあります!講演依頼を受けた時などは「自分にできるかな?」と不安になります!ここで勇気を出せるかがポイント!ある程度の準備ができていたらぜひやってみて頂きたいです!やってみると見える景色が変わって新たなチャレンジができるようになる!
失敗はつきもの!次回に繋げていく!
失敗は誰でもするものなので上手くいかなくても落ち込みすぎないこと!失敗した時は次回どうするかを考えることが大切!
- 今回上手くいったところは?
- 改善した方がよい点はどこだろうか?
- 次回同じ場面があった時はどのように進めようか?
こういったことを自問自答してみる!検査スキルだけでなく、患者さんへの説明・コミュニケーションも積極性が大切!説明をしていて相手の表情が曇るなどあれば「次回はどのように伝えようか?」などを考えてみる!
③+αの価値を出せるかで将来が変わってくる
「+αの価値」を意識して視能訓練士として自分の強み、アピールポイントを作っていく!1~3年目のうちはそれを頭に入れておく程度でよいと思います!どこで自分の視能訓練士としての価値を出していけるかというイメージ!視能訓練士としての必須の検査を習得したら「+αの価値」を考えていく。
- 学位の面で修士、博士まで進んでいる
- 学会発表、論文作成、研究に力を入れている
- 多くの眼科医から信頼されている
- 患者さん対応がとにかく丁寧で好感が持てる!
- ある検査項目で圧倒的なスキルを身に付けている!
④自分のタイプや強みを知る
臨床1~3年目の若い時期に自分の特徴を把握しておく!
自分の特徴・タイプ
経験を積んでくると自己研磨のため、自分の活動のために時間が必要となってくる!時間をかけて勉強・情報収集をしたり、作業をしたり。
- 自分に合う時間帯は?→「朝活タイプ or 夜活タイプ」
- 活動しやすい場所は?→「家での作業 or 外での作業(カフェ、自習室など)」
- 軸にしたい仕事内容は?→「臨床での仕事 or 研究などの仕事」
- 理想の休日数は?→「週に〇日は休みたい、土日休みがいいなど」
自分の限界も把握できるとばっちり
仕事をする上でどのラインを限界と感じるかは人それぞれ!私の場合は兼業届を出した上で週6~7日働いた時期がありました。そうすると自分の限界がわかってくる。「自分は週6日は大丈夫だな」、「限界が近づいてきた時の気持ち、体の感覚ってこんな感じなんだな」と。ハードワークは“悪”だろうか?→私は1回くらいはやってみてもいいのでは?、と思います!経験を積んでくるともっと時間があればいいのにと時間が欲しくなってくる!その時に自分の限界を把握できていることは最大限時間を使う上で大きなアドバンテージに!
自分の強みを知る
意外と自分の強み・いいところは気が付きにくいもの!自分では自然とできていることなので人から言ってもらって初めて自覚するという経験をされた方もおられると思います!
- 「自分の強みは何だろう?」と自分に問いかけてみる
- 自然と体が動くことは?
- 時間を忘れて夢中になれる分野は?
- 人から褒められたことはどんなことだった?
今の時点で自分の強みが思い浮かばなくてもこれから作っていけば大丈夫です!例えば「患者さんへの対応が丁寧」、「各検査が早くて正確にできる」など。特に患者さんへの対応の良さは転職時の面接でも相手に好印象だと思います!
自己対話を身に付ける
自己対話が上手な人は「自分の心をコントロールすることが上手い」!自己対話を用いて自分自身でコントロールしていく!

*自分への質問は慣れるまでは上記の例のような前向き質問がおすすめ!「なんで今日は朝起きるのがきついんだろう?」と考えてみるのもありですが、慣れていないと負のスパイラルになってしまう。
発する言葉の影響力は想像以上!
【ポジティブな言葉を多用する人】
- 自分の心が前向きに
- 自然と表情が明るくなる
- 相手が話しかけやすい雰囲気
【ネガティブな言葉を多用する人】
- 自分の心はどんどん沈んでいく
- 表情が暗くなる、怖くなる
- 相手が話しかけづらい雰囲気
この先、生きていたらいろんなことがある。自分の努力だけで掴み取れる成果もあるが、周りの人から助けてもらったり、協力してもらったりすることは成功への秘訣!「ポジティブな言葉を使える人」は関わりたい、協力したいと思われることが多くなる!
⑤人との関わりを大切にする!
これは経験がある方も多いと思いますが、人間は1人じゃ生きていけない!いろんな人に支えられて協力してもらって今の自分がある!出会った全ての人と仲良くする必要はないと思いますが、今後あなたが眼科業界で何かしたい時、転職する時などに人のつながりは大きな力をくれます!地域の勉強会、学会などに参加した際は勇気を出して挨拶周りをしてみたり、職場のスタッフの方としっかりコミュニケーションをとったり、私自身を振り返っても自分1人じゃここまで来れていないなと実感していますし、今後も人とのつながりがまた自分を助けてくれるなと思えます。
⑥身を置く環境の重要性を知る
次は環境について考えてみる!
極端な例を出すと
- スタッフが向上心を持って仕事に取り組む職場
- スタッフが愚痴や不満ばかり言っている職場
1の職場、2の職場のうちどちらの環境に身を置くかで得られる成果は様変わりする!
この時に他責思考になりすぎないように注意
他責思考:物事の原因や理由を他人や周囲の環境のせいとする考え方
この環境のせいで上手くいっていない、あの人のせいで自分は上手くいっていないとなりたくなるところですが、基本的には自分に目を向ける。例えば、今の職場が愚痴の多い職場で嫌気がさしているとする。「この職場のせいで自分はダメになっている」ではなくて自己対話を使って「将来のありたい姿に近づくために今の環境はタメになるだろうか?」のような質問を自分に問いかけてみる!ならないと思ったら自分で環境を変えるための行動を!
⑦給料に対する感覚を養う
「働くことと給料について」は多くの人が気になるポイント!現在私は社会人8年目を迎え、新人時代とは給料に対する感覚が変わってきているのでそこを共有したいと思います!
【学生時代~社会人5年目くらいまでの感覚】
- 給料を単純に数字だけで見ていた
- 月収18万円は安くて、月収30万円は高い
- 給料が高い人を羨ましく思っていた
【社会人6年目~現在の感覚】
- 給料を数字だけで見ることがなくなった
- 「給料=その人の業務内容への対価」という感覚
- 自分を雇って頂いているという雇用主に対する感謝の気持ちが強くなった
- あえて極端な例を出すと仕事が全然できない5年目の視能訓練士がいたとすると月収18万円でも高いと思うし、万能で患者さんからの信頼も厚い視能訓練士なら月収30万円でも高いとは思わない
- 今は自分の業務内容、貢献の度合いから自分の市場価値を考えている
この考え方ができてくると臨床1年目での月収が20万円未満だったとしてもこれが安いという感覚になりにくい。むしろ自分はまだできない業務が多い中でこの給料を頂いているという感謝の気持ちが湧いてくる!雇用主に感謝をしながら勤務先に早く貢献できるようにスキルアップを目指していく!そして自分のスキル、できることが増えてきたら年収アップに向けて行動していく!
⑧損得を考えすぎない、白黒を付けすぎない
少し昭和チックな考え方かもしれませんが、20代のうちは「がむしゃら」にやってみることがおすすめです!例えばあなたの勤務先で学会発表ができる機会があったとして、自分は将来的に大学院に行く気もないし、実績が必要な働き方をすることもないから、無給で時間が奪われる学会発表はやめておこうと考えるより、勇気を出してやってみてほしい!
若手の時期は「転ばない方法ではなく、たくさん転んで転び方を知るイメージ」。検査に関しても積極的にやってみて!もし失敗しそうで怖かったらそれを先輩に伝えたり、患者さんに迷惑をかけそうと思ったら先輩に付き添ってもらったりしたらOK!やった後に振り返り・反省をすることで転び方を知る!それを繰り返して上手くいく、上手くいかないという感覚を養う!
⑨人生は自由!自分で選択していく!
ここまでいろいろと書いていきました。読んで頂いている方の中には「頑張っていく勇気が出てきた」と思えた方もいれば、「こんなに頑張らないいけないの?」と思われた方もおられるかと思います!
結論、人生は自由です!真っ白なキャンバスに絵を描くように自分色に染めていくもの!大事なことは自分が目指すべき場所を決めておくこと!そして他責ではなく自分に目を向けること!学会会場やSNSなどで輝いている視能訓練士を見ると「あの人は自分と違ってすごいな」、「自分にはできないな」と思いたくなりますが、そういう人たちは見えないところで相当な努力をしています!
⑩憧れ、尊敬できる視能訓練士がいたら尚よし!
これから視能訓練士として頑張っていく上で、憧れの視能訓練士がいると尚よいと思っています!皆さんには憧れの視能訓練士の方はいますか?私は2人いて、臨床実習で出会った九州の視能訓練士Tさん、養成校時代に講義をしてくれた関東の視能訓練士Tさんです!
なぜ憧れ、尊敬できる視能訓練士がいるといいの?
私にとっては「憧れの視能訓練士=道しるべ」の感覚です!今後のキャリア、人生に迷いや不安が出てきた時にこの2人を思い浮かべると行動しようというエネルギーが湧いてくる、方向性が定まります!自分もああいう視能訓練士になれるように努力を続けていこうと思える!
助言を求める時は聞く人を意識する
助言を求める時は自分の進みたい道で先を行っている人に聞いてみるのがおすすめです!経験されたことがある人に相談をすると「いい面、悪い面の両方が見れる」、「新たな気づきがある」など参考になることが多い印象です!
最後に
いま私は30代に入って、人生って本当に自由だなと思うこともあれば、厳しい・シビアだなと思うこともあります!30歳を過ぎて結果を求められることが多くなったと感じます!20代の頃は「まだ若いね」、「若いのにいろいろ考えているね」と言ってもらえていたことが30代に入ると「どんなことができる?」、「実績・経験は?」という会話が増えました。
振り返ると20代、特に1~3年目で頑張ってよかったなと思います!でものんびりやりたい人がいてもいいと思います!本当に人生は人それぞれ、自分が好きなように生きていける。「5年後に自分はどうなっていたいか」を考えてみて下さい。「収入を上げたい」、「あることで成功したい」など目標が定まったらそれに向かって努力を継続していく!
長い記事になりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。


