今回は「眼圧と角膜厚の関係性」について!
視能訓練士として臨床で働き始めると「眼圧の重要さ」を感じることが数多くあります!眼圧値は緑内障をはじめとする眼疾患やステロイド点眼薬使用時などで重要な指標となります。
眼圧の数値が重要となるわけですが、そこには角膜の厚み(角膜中心厚)が関係することも。そこで今回は、眼圧値と角膜の厚み(角膜中心厚)の関係性について解説をしていきます!
角膜中心厚について
角膜中心厚とはその名の通り「角膜中心の厚み」を指します。平均値は教科書、参考書によってややばらつきはありますが、約530μmで書いてあるものが多いかなと思います!
*教科書によっては、0.5mmという風にざっくりと書いてあることもあるので、530μm程度というくらいで覚えて頂くとよいかなと思います。
眼圧値に角膜厚が影響する?
結論から書きます!
- 角膜中心厚が平均より厚い場合→ 測定した眼圧値は実際より高い値となる。
- 角膜中心厚が平均より薄い場合→ 測定した眼圧値は実際より低い値となる。
ノンコンタクトトノメータ(NCT)で考えるとイメージしやすいです!
角膜中心厚が平均より厚いとより弾性があるので、NCTで風を眼に当てた時に実際より強く跳ね返ってくるイメージです。強く跳ね返るということは眼圧値は高めに出るという覚え方。
まだまだわかったようなわからないような感じだと思いますのでイメージしやすくなるように、例を出してみます!
例)ノンコンタクトトノメータ(NCT)で測定した眼圧が15mmHgだった場合
眼圧値だけで考えるとその眼の眼圧は15mmHgとなりますが、そこに角膜中心厚を絡めて実際の(本当の)眼圧値を考えていく!
- 角膜中心厚が530μmの眼では→実際の眼圧値は実測値通り15mmHg付近であることが考えられる。
- 角膜中心厚が460μmの眼では→実際は15mmHgより高い眼圧値であると考える。
- 角膜中心厚が600μmの眼では→実際は15mmHgより低い眼圧値であると考える。
①~③のように角膜中心厚を絡めて、実際の(本当の)眼圧値を考えていきます!
NCTのパキメータ機能が付いているのも納得できる!
ここまで勉強するとノンコン(NCT)に付いているパキメータ機能にも納得できますよね!その眼の本当の眼圧を知るためにパキメータで角膜中心厚を測定して補正しているという形です!
実際には、眼圧のコントロールなどは医師の先生方の仕事なので、視能訓練士が補正眼圧を考えて何かをするという機会は少ないかもしれませんが、各疾患と検査項目が結びつけられるようになると、検査への理解が深まりやすいかなと思っています。
緑内障の患者さんの検査オーダーに「角膜厚の測定」とあれば、「眼圧と角膜中心厚の関係性を確認しているのか!」というような感じで、各疾患と検査項目が結びついてくるようになると、各検査に対してどんどん面白みが出てくると思います。
勤務先によっては「パキ測って」というような形でオーダーが出たり、検査指示の出方は様々です。慣れてくると「あ!眼圧値を補正するために角膜中心厚を知りたいんだな」と思えるようになってくると思います!
最後に
眼圧値に影響する因子は、角膜中心厚だけでなく、日内変動など様々ありますが、各疾患と検査項目を結びつけるための1つの例として「眼圧と角膜中心厚の関係性」について書いてみました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。