今回の内容は、「今は眼底写真撮影が苦手・自信がない、だけど上手くなりたい」という方にぜひ読んで頂きたい内容となっています。
基本となるのは正面視の撮影で、それが上手くなると、眼底9方向写真や蛍光眼底造影検査もどんどん上達していく印象です!
そこで、今回は正面視の眼底写真撮影を行う上で意識すべき3つのポイントを紹介していきます。
※フラッシュ光の調整の目安や、ジョイスティックの押し込みなどについては勉強されていると思いますので、それらの内容は今回は含めずに話を進めていきます。
①中心窩と乳頭の位置関係を意識する!
正面視の撮影時に「中心窩と視神経乳頭の位置関係」を意識できると、良い眼底写真が撮れるようになっていきます!
一般的に、中心窩は、視神経乳頭縁から耳側に約15°、下方に約3°の位置にあるとされている。
ここを意識することで、以下の写真のように見た目が良い写真がどんどん撮れるようになります。
良い写真が撮れるだけじゃない!位置を意識するメリット
先ほどお伝えした、撮影時に「中心窩と視神経乳頭の位置関係」を意識できるようになると、写真の見た目が良くなる以外にもメリットがあると考えています。
毎回、位置の微調整しているため知らず知らずのうちに手技が向上しており、9方向の眼底写真を撮影する際の微調整もスムーズにでき、自分の撮りたい場所で撮れるようになっていきます!
位置を合わせる上でのワンポイントアドバイス
自分が眼底写真撮影の被験者になると、「観察光って思ったよりまぶしいですよね!」
実際の患者さんも同様に、観察光はまぶしいため眼を閉じようとすることが多いです。
閉じようとすると、ベル(Bell)現象によって眼は上転する!
ピントだけ意識していると以下のような眼底写真になっている場合が多いです。
Bell現象によって、眼球がやや上を向くため、写真全体が下にズレてしまっています。
②周辺部の病変も気にかける!
周辺部の病変も気にかけておくと、どんどん手技が向上し、必要とされる視能訓練士へと近づいていきます!
・例を出してみます!
網膜静脈分枝閉塞症(branch retinal vein occlusion:BRVO)の正面視の写真で、下方に出血が見られます。写真を見て頂くと、「もう少し下方までに出血がありそう!」と予測できる。
③どちらの手でも操作できると撮影の幅が広がる
以前、twitterで、「利き手以外の手でも検査を行えると手技が上達しやすい」という投稿しました。
眼底写真撮影にも当てはまる考え方で、彫りが深い方・瞼が固くなっている方などは瞼が上げにくく、そのような場合は、右眼は左手で挙上、左眼は右手で挙上した方が撮影しやすいです!
利き手でない手を使う際は、まぶたの挙上よりジョイスティックの操作の方が難しいかなと思います。回数を重ねるとだんだん上手になりますので、初めは難しいと感じても頑張ってみて下さい。
最後に
今回は、「眼底写真を撮影する上での3つのポイントについて」を紹介させて頂きました。
最近の臨床の現場では、広角カメラが導入され始めて、細かいスキルがなくても簡単に眼底写真が撮れるようになってきているかなという感覚があります。
ただ、視能訓練士として、従来の眼底カメラでもしっかり撮影できるということは、自分のアピールポイントになると思いますので、今回の内容を手技の向上に使って頂けるとありがたいです!
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