斜視と聞くと、斜視=眼位検査というイメージの方が多いのではないでしょうか?
みなさん、眼位検査や斜視の型については、よく勉強をされていると思います。でも中には、それ以前に、そもそも斜視ってなに?、斜視になりやすい条件は?と思われている方がいるのではないかと思いました。
そこで今回は、斜視とは何か?そして斜視有無を見極めるために、注目したら良いポイントについて話をしていこうと思います!
斜視ってなに?
参考書や授業などでよく耳にするわかりやすい言い方が、『目の位置がズレていること』というものではないかと思います。この表現は、斜視という言葉を考える上では、わかりやすい表現だと思います。
では、なぜこんな表現をしたのか?→眼位は、この『斜視か斜視じゃない(正位・斜位)か!』の2パターンしかしないため!眼位検査時には、このどちらかを見極めることになるので、イメージしやすくなるようにこのような表現をしています。
見極めることができるようになれば眼位検査が上達する大きな1歩となります。
ここからは、斜視有無を見極めるために、1番伝えたいポイントを紹介します!
※眼位検査で注目するべきポイントはたくさんありますが、なるべくわかりやすい説明にしたいので、今回は1つに絞ります。
注目するべきポイント【1番伝えたいこと】
結論から書きます!
今回、伝えたいポイントは、『融像幅と組み合わせて考えること』です!
融像幅が理解できたら、斜視について、すなわち、私が言う「斜視か斜視じゃないか」を見極めやすくなります。
この先で、融像幅を組み合わせた斜視の考え方を解説していきます!
ここまでの内容をおもしろいなと感じて頂けた方は、この続きも読んでみて下さい!
まずは融像幅を覚える!
融像幅の正常値は、
方向 | 融像幅 |
水平 | -8△~+40△ |
上下 | 2△~4△ |
回旋 | 16△~20△ |
※プリズム表記で記載しています。
全斜視角も理解する!
交代遮蔽試験(Alternate Cover Test, ACT)をした際の目の動きは、全斜視角を表し、「全斜視角=その人が元々持っている眼のズレ」となります!
両眼解放時に(両眼を開けた状態で)、
元々、持っているズレを自分の力で、真ん中に持ってこられたら→斜位or正位
真ん中に持ってこられずにズレていたら→斜視
という考え方をします。
つまりこういうこと!
ここまでの話で、みなさん、なんとなく斜視についてのイメージをして頂けたと思います。ここまでの内容を踏まえて、見極めるためのポイントを書いてみます。
『元々持っている眼のズレ(全斜視角)が融像幅が狭い方向にあれば斜視になりやすくなる!』
つまり、全斜視角が同じ角度だとしても、斜視になりやすさが変わってくるということです!
みなさん、以下の3パターンでどの順で斜視になりやすいか予想してみて下さい。これがわかってくると、理解が深まってきます。
①8△外方偏位
②8△内方偏位
③8△上方偏位
答えは、③、②、①の順で斜視になりやすい。
全斜視角が同じでも融像幅が狭い方向は斜視になりやすいということになります。ここの内容が難しかった方は、上記した「まずは融像幅を覚える」の項の表をもう一度見てみて下さい!
※定量するときは、APCTをして下さい。ここでの話にはわかりやすくなるようACTで説明をしています。
最後に
今回は、斜視とは何か、そして、融像幅との関係性について書いてみました。
斜視や眼位検査を考える際には、融像幅だけでなく、眼球運動、輻湊近点、共同性or非共同性、先天性or後天性、複視の有無、Prism Adaptation Test(PAT)など様々ありますが、今回は、よりイメージしやすくなるように項目を絞って書いています。
文章より口頭で伝える方がわかりやすく説明できるので、詳しく聞いてみたい方はぜひ一緒に勉強をしましょう!(詳細は以下のリンクをご覧ください。)