日々の業務で、患者さんへ説明を行う際に、「自分の伝えたいことが伝わらない」、「何から説明したらいいのかわからない」などと感じている方がおられると思います。
そこで、今回は、私が患者さんに伝わりやすい説明をするために意識している「伝わりやすい言葉選び」について紹介していきます!
※今回の内容は、ボリュームがありますが、なるべくわかりやすくなるようポイントを絞ってまとめていますので、説明で悩まれている方にはぜひ最後まで読んで頂きたいです。
わかりやすい説明ってなに?
私が考えるわかりやすい説明は、返答の際に、『相手が答えとして求めている内容を端的に、伝わりやすい言葉』で表現できることだと考えています!
伝わりやすい言葉という表現は、抽象的でイメージが湧きにくい方がおられると思いますので、「伝わりやすい言葉=相手の理解度に合わせた言葉」という意味でイメージして頂ければと思います。
以下で解説をしていきます!
伝わりやすい言葉とは
一般的に眼科業界で使われている患者さんに伝わりやすいとされる言葉をいくつか挙げてみます。
眼圧→眼の硬さ、近視→裸眼で近くは見えて遠くは見えにくい、老眼→ピント合わせの機能が弱まるなど。
このような表現はわかりやすい言葉だと思います。しかし、もう1歩踏み込んで考えると、この表現が「必要な人」と「必要ない人」がいると思いませんか?
伝わりやすい言葉選び(相手の理解度に合わせた言葉選び)ができれば、冒頭でお話した伝わりやすい説明ができる大きな1歩になると思います。
ここから先は、伝わりやすい言葉を選択するためのポイントを紹介していきます。
説明の前に相手の理解度を見極める!【1番重要なポイント】
「相手の理解度を見極める=相手の眼科知識のレベルを判断する」。
つまり、理解度を見極めることができれば、上記した伝わりやすい言葉(相手の理解度に合わせた言葉)を選択できるようになり、伝わりやすい説明をマスターすることにつながると思います。
どのタイミングで理解度を見極める?
患者さんから質問を受けた際に見極められることが理想です。
例を2つ出してみます。以下の2症例は、80歳 男性で、両眼とも1ヶ月前に白内障手術を施行し、眼内レンズ(IOL)挿入眼。RV, LVともに、0.1(1.5×S-3.0D)とします。
①眼科の知識があまり豊富でない患者さんから、視力検査時に以下の質問を受けた。
質問内容:手術を終えて、近くはよく見えるが、遠くが見えにくいのですが、どうしてでしょうか?
この質問から、裸眼で遠くが見えないことが気になっているのだなと判断して、近視という状態を丁寧に伝え、裸眼では遠くは見えにくいが、遠く用の眼鏡をかけるとよく見えるということを伝えると、満足してもらえるかなと推測して説明を始めます!
②眼科の知識が豊富な患者さんから、視力検査時に以下の質問を受けた。
質問内容:手術で近視を残してもらったので、手元は裸眼、遠くは眼鏡で、付け外しをして見ているけど、他にいい方法はないですか?
この質問から、近視の状態は理解されていることがわかります。この場合は、①のような近視の丁寧な説明は省き、眼鏡の種類(累進焦点など)の案内をすると、満足してもらえるかなと推測して説明を始めます!
もちろん、質問だけでは理解度を見極めることが難しい場合がたくさんありますので、その場合は説明をしながら理解度を探っていくことになります!
伝わりやすい説明ができるようになると?【メリット】
①患者さんに満足してもらえる(自分のモチベーションも上がる)
説明後の患者さんの反応が変わってきます!
返答した際に、「あなたの説明はわかりやすい」や「何年も眼科に通っているけど、聞きたかったことがあなたの説明でやっと理解できたわ」などの嬉しい言葉をかけられることが増えてくるため、結果的に自分の仕事に対するモチベーションが上がると思います。
②医師と話す際に内容が伝わりやすくなる
普段の業務で、ほとんどは、検査を行う→カルテを回す→診察の流れで行うと思いますが、検査結果について、診察前に”直接”医師に伝えなければいけない、または相談したいという場面があると思います。
この時に、端的に言いたいことを医師に伝えられるとスムーズに話し合いができ、結果的には視能訓練士としての評価に繋がると思っています。
最後に
今回は、視能訓練士として説明を行う際に意識してほしい、伝わりやすい言葉選び(相手の理解度に合わせた言葉選び)をメインに書いてみました。
説明の仕方・考え方については、様々な方法があると思いますので、1つの方法として参考にして頂ければと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
以下のリンクの勉強会・相談会を主催しています。
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