ゴールドマン視野計(GP)【入門編】~上達するための3つのポイント~

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Goldmann視野計(GP)は、ORTが行う検査の中で難易度が高い検査の1つで、慣れるまでは難しいと感じることが多いかなと思います

今回は、【入門編】として、「上達するための3つのポイント」についてまとめてみました!

①視標を動かす速度

②視標の出し方

・③記載時の線の引き方、の3点です。

*GPを行う上でのポイントは様々ありますが、今回は上記した3点のポイントに絞って書いていきます。

目次

①視標を動かす速度

まずは、視標を動かす速度(スピード)から!

視標を動かす速度が速すぎると実際の視野より狭く
遅すぎると実際の視野より広く検出されることになります!

そのため、GPを測定する上で視標を動かす速度(スピード)は重要となります

あなたがGPについて教科書・参考書で調べた際に、「周辺部は1秒間に5°、中心部(30°以内)は1秒間に3°で動かすことを意識しましょう!」という内容を目にされたことがあると思います。

これは正しい考え方なのですが、
この考え方で実際にGP測定をしてみると、1秒ごとの動かす感覚が掴みにくかったという経験はありませんか?

なぜそうなるのか?→ GPの検査用紙に5°や3°の目盛りがないため!

視標を動かす際は、
検査用紙の10°ごとの目盛りを上手く使う!10°刻みで円に目盛りが描いてあるので、それを使ってイメージしていく。(下図参照)

どのように10°ごとの目盛りを使うの?

周辺部は→「一目盛りを2秒で動かすイメージ!」

中心部(30°以内)は→「一目盛りを3秒で動かすイメージ!」

GPに慣れないうちは、このように10°刻みの目盛りを用いて、周辺は1.2と数えながら中心は1.2.3と数えながら、一目盛りを動かすことで、視標速度の感覚が早く身に付くかなと思います

②視標の出し方

次は、視標の出し方について!

視標は基本的に、Ⅴ/4e→ Ⅰ/4e→ Ⅰ/3e→ Ⅰ/2e→ Ⅰ/1eの順で測定し、さらに中心の最高感度まで測定を行います。

*必要に応じて、中間イソプターの測定します。

視標は何度ごとに提示していく?

基本的には、各視標30°ごとに視標を提示していきます。

垂直・水平経線をまたぐ2点は全ての視標で測定するようにしています。

また、異常が疑われる部分は、30°間隔ではなく、密にプロットをしていきます。

例)右眼測定時(下図参照)
私の場合は、上方から提示するので、まずⅤ/4eは、90°方向の垂直経線(緑線部分)をまたぐ2点→ 75°→ 45°→ 15°→ 0°方向の水平経線(赤線部分)をまたぐ2点という形で進めていきます。(時計回り)
一周終えると、Ⅰ/4eを90°方向の垂直経線(緑線部分)をまたぐ2点→ 120°→ 150°→ 180°方向の水平経線(赤線部分)をまたぐ2点という形で進めていきます。(反時計回り)
基本的には上記のように、時計回り→反時計回り→時計回りの繰り返しで測定。ケースによっては、ランダムに提示することもあります!

*視標の提示するスタート位置は、一番視野が広いと予想される耳下側から測定をするなど、それぞれ異なると思いますので、根拠があれば基本的にはどこから始めても構わないと思います。私の場合は、眼瞼の視野への影響を見極めたいので、上方から始めることが多いです。

プロットが凹んだ時はどうするのか

上記したように、30°ごとにプロットしていて、プロットが凹むことがありますよね!

プロットが凹んだ時は、その間を直交する形でプロットを行う!

上記の緑矢印の方向にプロットを行うと、下図のようになります!

2点の幅がまだ広いので、
さらに続けて、2点の間をプロットしていく!

このようにして異常が疑われる部分は、30°間隔ではなく密にプロットをしていきます

暗点チェックをする際のワンポイントアドバイス!

イソプター間の幅が広い時は、
中間イソプターをとってから、暗点チェックを行っていく!

これを行うことで、より正確に暗点を測定できることになります!

・上記の解説内容を以下の図に示します!

上記のようにⅠ/4eで大きく凹んだ場合に、いきなりⅤ/4eで暗点チェックをするのではなく先に中間イソプターを測定するとより正確に視野の状態を把握することができます。(下図参照)

*実際の測定時は、イソプターをこんなにカラフルに描くことはありませんが、なるべく伝わりやすくなるように赤とオレンジで色分けをしています。

③記載時のポイント!

最後は、記載時のポイントについて!

GPの測定に慣れてきたら、「測定結果の見栄え」が気になりますよね!

私自身も新人の頃は、記載の線がガタガタで見栄えがかなり悪かったことを覚えています。

ここでは、どのように記載の仕方を身に付けたのかを書いていこうと思います!

<新人時代の記載:正常眼>

・プロット:記載時にどの視標のプロットかを迷わないように、レ点赤・青色鉛筆で交互にプロットしていた。
・線を描く時:すぐ近くのプロット見てしまい、一筆書きではなく、途中で何度も止まってしまっていた。

上記の記載結果を見ると、
測定自体はできているが、レ点が目に付き線もガタガタしています。

<現在の記載:正常眼>

現在は、このような形で記載
・プロット:点線のみでプロット!
・線を描く時:すぐ近くのプロット見ずに、一筆書きに近いような形で!なるべく途中で何度も止めないように!

*細かい記載の仕方(記載・線の色)については、各施設で異なりますので、ここではプロットの打ち方と線の描き方を参考にして頂ければと思います!

最後に

今回は、Goldmann視野計(GP)のポイントについてまとめてみました。

この内容以外で言うと、GPの測定前に、OCT・眼底写真・HFAなどの事前の検査結果からの視野の予測をすること、固視の状態の確認検査時間の短縮などポイントは様々ありますので、1つの考え方として参考にして頂ければと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

ハンフリー視野計(HFA)についてまとめていますので、お時間あれば読んでみて下さい!

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