屈折度は、この3項目で予測できる!

以前に、屈折度についての投稿をしました。(以下のリンク内容です)

今回は、その内容から一歩踏み込んで、”屈折度を予測をする”ということについて書いていきます。

レフがあるのになぜ屈折度を予想する必要があるのか?と思われた方がおられると思います。

そのような疑問についても、なるべくわかりやすくなるよう解説していきます!

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【いきなり結論です】

屈折度の予測はこの3項目を考える!

屈折の状態は、角膜屈折力水晶体屈折力眼軸長の3項目によってほとんど決まります。→つまり、この3つについての考え方を理解すれば屈折度を予測できる。

なぜ予測する能力が必要なのか?

臨床で働くうえで、屈折度を予測する能力はかなり重要です。

では、いつこの考え方を使うのか?

一番使っているケースは、仮性近視(調節緊張症)を疑うときの指標です。その他には、近視や遠視がありそうな心因性視覚障害症例(自覚的な応答が難しいため)、白内障が進みレフが取れない場合に大まかな屈折度を知りたいとき→水晶体の濁りが強くても、ケラト値と眼軸長(Aモードは出来る)は測定ができるため屈折度を予測できます。

※大前提として、屈折度については、オートレフラクトメータを用いることが圧倒的に多いですが、上記したような症例では、レフだけで対応できないため、「屈折度を予測する能力」が必要となります。

以下で、3項目についての説明をした後、最後に練習問題を行い理解を深めていこうと思います!

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予測するための3項目について

ここからは、角膜屈折力水晶体屈折力眼軸長の3項目からどのようにして屈折度を考えるかについて説明をしていきます。まずは、それぞれの基準の数値を覚えてください。基準値=正視という考え方です。

基準からずれた数値の場合に、どれくらい遠視・近視の要素があるかを考え、屈折度を予測するという流れです。以下の数値は、Gullstrandの模型眼より抜粋しています。

①角膜屈折力

角膜の等質曲率半径※17.8mmで、等質屈折力は43.08Dといわれています。

※1 ここでの等質の意味は、角膜の前面と後面の値を含んでいることをさします。

角膜が屈折度にどう影響しているかを考えるときは、曲率半径を用いると考えやすいです。

7.8mmより大きい場合→角膜面が緩やかになるため、屈折力が弱くなる。→ 遠視傾向

7.8mmより小さい場合→角膜面が急になるため、屈折力が強くなる。→ 近視傾向

ここまでの話で角膜屈折力と屈折度の関係性についてなんとなく理解して頂けたかと思います。実際に予測をするとなると、曲率半径の変化量に対しての、屈折度の変化量を知っておく必要があるので、そこも併せて書いておきます。

角膜曲率半径と屈折度の変化量の関係性→角膜曲率半径が0.1mmで屈折度は0.5D変化する。

※なぜこの関係性になるのかは少し難しい内容になるのでまずは覚えることをお勧めします!

②水晶体屈折力

水晶体の屈折力は20.53D~33.0Dといわれています。

水晶体が一番薄くなっている状態で20.53Dとなり、一番厚くなっている状態で33.0Dとなります。

屈折度は無調節状態で考えるので、約20Dとして考えていきます。

③眼軸長

眼軸長は24.0mmといわれています。

24mmより短い場合→眼の長さが短いと、より後方に結像する。→ 遠視傾向

24mmより長い場合→眼の長さが長いと、より前方に結像する。→ 近視傾向

眼軸長の変化量に対しての屈折度の変化量を説明します。

眼軸長が1mmで屈折度は3D変化する。→これは決まりなので覚えましょう!

ここまでの内容を踏まえて、練習問題を用いて理解を深めていきます。

練習問題

問題① 角膜の等質曲率半径が8.0mm、水晶体の屈折力が20.0D、眼軸長が25.33mm

この場合は、角膜は1.0Dの遠視の要素水晶体は正視の要素眼軸長は4.0Dの近視の要素となり、これらを足し引きすると屈折度は3.0Dの近視と予測することができます。

このような形で屈折度を予測していくことになります。

ここで!勘の良い方は水晶体屈折力は機械で測ることができないから、この問題のような状況は、臨床ではあり得ないことに気がつくと思います。

1問目は理解を深めるために、3項目ともデータがある状態での問題を出しました!2問目は臨床現場でも使える応用問題を出してみます!

問題② RV=0.2(1.5×S-1.5D), LV=0.2(1.5×S-1.5D)角膜の等質曲率半径が8.0mm、眼軸長が24.33mm、両眼とも-1.5Dまで入れないと(1.5)まで出ない。レフの代表値は以下に示します。

 [レフ値] R:S-1.5D, L:S-1.5D 乱視なし。

この場合は、角膜は1.0Dの遠視の要素、眼軸長は1.0Dの近視の要素となり、これらを足し引きすると屈折度は正視となります。しかし、完全矯正度数は-1.5D。

ここから何がわかるか→水晶体に1.5D程度の力が入っている可能性がある!→仮性近視を疑い、医師と相談しサイプレを行い、仮性近視の有無を確認するという流れです。

この問題②のような場合が冒頭で述べた仮性近視症例で用いる考え方になります!

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最後に

この記事を現役視能訓練士の方も読まれていると思いますので、一応書かせて頂きますが、練習問題②のような症例で仮性近視ではなく、サイプレ後に-1.5Dの近視が検出される場合もあります。小学校低学年の小児では無調節時の水晶体屈折力は20Dではなく、21~22Dくらいとする文献もあり、無調節時の水晶体屈折力が20Dより強い場合があるからです。

様々な考え方があると思いますが、1つの考え方として参考にして頂ければと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

以下の記事では、今回の内容に出てきた「仮性近視について」を紹介しています。

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